「八雲君!」
「そっちの具合はどうなった、え?」
 とっさに霞は少年改めご主人様の背後で股間を隠くすポジションをとった。
「ちょっと、この子と回ることになったので少し抜けさせて」
「ああ、それは構わないが……そうだな、天にいもちゃんとしてくれてるし、基本凪さえいれば大丈夫だし」
「ええ」
「じゃあ、霞姐はその子について上げててくれ」
「ありがとう、八雲君」
 八雲君は何も疑わないでそのまま人ごみの中へ駆けて行ってしまった。
「嘘をついたね、霞」
「え?」
 面白そうにご主人様は笑う。
「良いよ、付き合ってあげるよ。霞」