「霞ちゃん!」
 戦いを終えて、千里が駆け寄る。
「後ろ……」
「え?」
「ありがとう、これはすばらしいね」
 振り向いた瞬間に、千里の身体から何かが抜けていく。
「ふははははは、メガレンジャーの淫らなる力ゲットさせてもらいました!」
 ゴーミンが巻いている見慣れぬベルトのバックルに、その珠を納める。
「しまった……あ……」
 全身から力を奪われて経っていられない。
「さて、この学園が君たちにとってどんな場所だったのか、思い出すと良いぃぎゃぁ!」
「こいつ、ザンギャックじゃないか!」
 突然脇から出てきて、ゴーミンを突き飛ばしたのは、小型のバディロイド。
「あ、君たちヨーコと連絡が取れないんだけど、知らないか?」
「え? ヨーコちゃん?」
「えっと……その……」
 全裸でいる千里と霞の事は気にならないらしいウサダに対して、はっきり言って良いものか言いよどむ二人。
 しかし、その間が命取りだったのかもしれない。
「いいタイミングだよ、バディロイドメガレンジャーの淫らなる力を試せる」
「なに? うぉおお! なんだ、何を!」
 珠から発せられた力が、ウサダに作用したようだった。
「おかしい……俺が……俺でなく……」
「ウサダァ!」