「ちょっとどうなってるのよ」
「隠すと余計に恥ずかしいぞ」
 彼は院内と違いスーツに着替えて決めている。
「何処に行くのか教えてくれても……」
「聞いたところで知らないだろうし、そうだなあえて言えば協力して下さっている街中の医師に会いに行くと言ったところかな?」
 大きな病院ならば、確かに街中の医師との連携は必須だが、現場の小夜たちがいちいち顔を出す事じゃない上に……
「それなら、服を」
「隠すなよ、分かってるだろピアスコントローラーの威力は」
 もしかしたら、彼の持っているカバンにさっきのカプセルが入ってるのかもと思う。
「カプセルの……」
 どうせ、聞いても教えてはくれないだろう、遺伝子研究所で作られたはずのカプセルが一体何なのか、彼にだって見当は付いていないと思えた。