「よし、あの方たちにもビールを配ってきな」
袋の中から一本瓶ビールを取り出したあとでココナッツベイの社員は、当然の様にコンビニから付いてきた男たちの方へ小夜を向かわせる。
「え、どうして?」
「いいから、大勢にして貰った方が小夜さんも嬉しいだろ?」
嬉しいのか、嬉しいのかもしれない……
「ええ、そうかも」
一瞬、一年後の自分の嬌態が頭に浮かんだ。
「どうぞ、取ってください」
「頂きます」
「心の広い飼い主様だ」
「やった!」
広げられた袋から、我先にとビールの瓶が引き抜かれて行った。