ホースにある程度の長さが確保してあるので、ココナッツベイの花見シートの上を移動することが出来て、呼ばれる度にあちらへこちらへと歩き回り、気がつけば足元もおぼつか無い程に小夜にも酔いが回っていた。
「こっちはやく」
「こっちもだよ、お酒ないよ」
声がすればそちらに移動するしかない。
「小夜さんは、真正のマゾ気質なんだな……」
この状況を作った男は、そう満足げに見つめながらジョッキのビールを飲みほした。