「どうかした?」
 日下くんが振り向いた時には、その場から名誉市民のメンバーは居なくなっているのだ。
「何でもないわ、大丈夫よ」
 そう返事するしかない、デートを続けることは命令なのだ、なぜこんな事をしているのか分からなくなる。
(どんな苦労だって、未来へ続くキラメキになるはず)
「苦しくなったら直に言ってね」
「ええ……」
 ちょっと目線を落としただけで、小夜のスカートから伸びるホースが目に入りそうなのに日下くんは、まるで気が付く様子が無い。
(仕方が無いわね……9
 どう考えても、今日はじめて顔を合わせたばかりの名誉市民たち、その連携が凄すぎるのだった。