お腹の膨らみも無くなり……
「はふん❤……」
 そのまま、クタッと落ちる様に小夜の全身から力が抜けて行く。
 三つの薬液は三つ揃った瞬間に反応し、刺激的な気体へと気化し腸の奥で膨張する。さらにホースの重みよりも軽く腸内ホースの周りを一気に駆け下り、ホースを押し出すことなくアナルから放出され大気中窒素に触れると無毒化される浣腸液だったのだ。
「先生、次はどうしたら?」
 伸びている小夜を見てオロオロとし続ける日下を押さえながら麻酔科医は……
「まあ、待ちなさい」
「でも」
 小夜を助け起こさせなように日下の行動を麻酔科医は微妙に操作していた。