「乾杯」
 カチンッ
 約束よりも早く到着した二人をレストラン側は、喜びを持って受け入れてくれたのだ。
「ひんっ❤」
 ブブブブブブブ……
 グラスが合わさった瞬間を狙ったかのように、ピアスが振動した。
「小夜ちゃん! 待っててね!」
 生真面目な日下くんは、麻酔科に言われたようにその場で直に脇の下の管に薬液を抽入する。
「ひぃいいいいいいいいい❤❤❤」
 腹部があっという間に膨れ上がり、今まで聞こえてもいなかったピアスの振動音が拡張されて小夜のお腹で鳴り響く。
 それを聞き続けること数分更に大きな音が……ボフンッ
「はふん❤」
 小夜は高級レストランのお客様の前で、その醜態を曝していた。