「最近皆も気が付いていると思うけど」
 その日のオペは執刀医である小夜よりも先に麻酔科医が口を開いた。
「……」
 ちょっと下緊張感の中で小夜は全裸の上に全裸でオペ室内用の着衣をしていく。
「小夜先生は、露出症という病名が付いていますので慣れの為1日の半分は裸でいます」
「ほう……」
 オペ室内の緊張感が少し別の方向に変わって行く、そう小夜を牝として認定したかのような空気だ、これまで最高のオペを目の前で展開し続けた小夜に対して年下であっても助手として支えようと思っていた、二番三番の医師たちが、もっとも蔑みの視線を向けていたかもしれない。
「よ、よとしく……」
 やっと執刀医が言葉を発する。