正月の深夜に一人全裸で浣腸をしながら、街中を漂う違和感に何をしているのか小夜にも分からなくなる。
「ここは、一体どこなのかしら、私はいったい何をしているのかしら?」
 街の雑踏とは違う、初詣の人々が出す音声が遠くうねるように聞こえてくる。
「小夜ちゃん!」
 突然手にしていた鞄を取り上げられる、そしてその相手が。
「きゃ、日下くん」
 小夜の帰り道で待っていたのは、もう二度と会わないと思っていた日下だった。