「先生はいつもわざと人に運ばせるのですか?」
 用具一式持って来てくれたナースは、前回も外来診察室に浣腸器を持って来てくれた人だった、更に前回からその目には侮蔑の色を隠す事もない。
「ご、ごめんなさいね」
 同性からのこういう視線は男性に見られるのと違ってとても悲しくなる。
「別に、いつでもどこでも裸でいる先生の事は理解出来ませんが、これも仕事の内だと思っています」
 声も冷たい。
「とは言えこれからは、ちゃんと小夜先生の診察室にもストックしておくように報告を上げておきますね」
「あ……ありがとう」
 全然有難くはないが、もうこんな目で見られなくて済むのならそれでも良いと思うのだった。