「ここで良いかな? 10数えたら目隠しをとっても良いよ」
 リードが外されて、そう言われて気配が周りから無くなる。
「いない……」
 小夜が取り残された場所は、小夜のマンションの玄関ホールだった。足の裏から伝わる感触で気が付いてはいた、ここから遠くない所にあの秘密基地はあるのだろう
「よぉ 今日も全裸でご帰宅かよ」
 警備員室からいつものように、声が届く。
「え……ええ、ただいまです……」
 最初に裸にされた頃に比べてマンションの管理が行き届いている気がしている。
「今日はここにあずける服は無しだな、早く上がりな」
 小石も何も落ちてない、まさかと思い警備員に聞こうかと思うのだが。
「なんだよ、俺にビール浣腸されたいのか? 熱く見つめて来るんじゃねぇよ」
「ち、ちが!」
 そそくさと小夜はエレベーターに乗り込むのだった