「その……」
 震える全身を押さえながら、小夜も口篭もる。
「なにも無いなら、後程という事で……お急ぎでしょ?」
「今……その、今お願い出来ませんか?」
 必死に言葉を探して、口に乗せる。
「何をですか?」