「急がなきゃ……」
 ランニングコースは決まっている、師匠は道着に着替えてないし、もしかしたら短縮するかもしれない。
 ガクガクと震える膝を支えながら、必死に前に進む……
「はやく……はやく」
 師匠にはちゃんと、服を着て会いたい。
 それが小夜の偽らざる本心だと、思い込もうとしてる様だった。