「え……これって何かしら?」
 全身から何かしらの気と言うか、オーラと言うべきか発せられている様に感じられたのだ。
「ん? どうした?」
「ああ、目には基本見えないとは思うが、さっきの奴らの残り香みたいな感じのものが纏わりついてる感じはするぞ」
「そんな、ちょっと……」
「医者なら膣洗浄くらいしたら良いじゃないか」
 そんな簡単な事も思い付かないくらいに、動揺していた。ベチャットのレイプに感じて行きまくって気まで失ってしまった自分の情けなさに、そして全身から立ち昇るベチャットと同じ気配にいつもは強気の小夜でさえ不安に飲み込まれそうになったのだった。
「目的は達したから、解いてやるぜ」
 何が目的だったのか良く分からないゴーミンの行動だった。
『想定外だったが、奴らの認識は共有されているのだろうか?』
 そう、ゴーミン自身が最初にヨドンヘイムが現れた時に話を持ち掛けたベチャットだったのかも良く分かっていないのだった。