「また今度、食事でもしながら」
 ぎゅっと握られた手に今度は名刺が握らされていて。
 ドキンッ
 先ほどまでは感じなかった心の動きかもしれない。
「え?」
 グルル……
 浣腸液ではないとはいえ、大量の水道水を浣腸されていた、更に長いゴムホースが丸ごと小夜の直腸には収まり今にも駆け下ろうとしているのだ。
「こんな場所で話す事でもないから、お互いにちょっと落ち着いた時に……でも、そんなに余裕のある話でもないからさ」
 彼は今まで躊躇していたのが嘘の様に、まくし立てると小夜に名刺を残して離れた。
「日下くん」
 それだけ言って満足したのか、彼はもう落ち着いていた。