「小夜ちゃん」
「……」
 振り向くと、走ってやって来る日下くん。
「待った?」
 フルフルと首を横に振ると。
「今来たところよ」
 どこかで聞いたようなテンプレートな会話はまるでエモくない。
「行こうか、良い所予約してあるんだ」
「期待してるわ」
 日下くんとの待ち合わせ、本当に期待するものは何だろう……