「本当に……いた」
 身体が知らせる方向に夜の街を歩く、そしてとある医療施設の中庭に男性が複数人待っていた。
「待ってましたよ、奴隷女王様……」
 彼らの顔を見れば王城の医療チームに所属する医師達である事はすぐにわかった。その彼らが当たり前の様にヒメノを奴隷女王と呼ぶのだ。
「少し、睡眠が足りないとは思いますが、今日は我らの医者としての実験を優先させて貰いますよ」
 狭間紳士がみせてくれた映像を、彼らも指差して説明して来る。
「そ……それも」
 気が付けばその異世界の映像システムが毒素の様にイシャバーナに浸透していた。