「ここが第二銀河系シャイン星系の惑星シャインか」
「五郎博士、やっと着きましたねぇ」
 幾つかの星系を超えてやっとたどり着いたのは、元国防大臣から幾つかの提案を受けての第二銀河だった。
「さて、ここに何があるのかフィールドワークと行こうか」
「あ、空気中に毒素は無いです」
 五郎が急ぐすぐ後ろでいつもの様に緑の胸を揉んでいる。
「マスクは外しても大丈夫そうですよ」
「そうか、いやちょっと先に行くぞ」
 ワクワクが止まらないという感じで妻の現状など想像もしていない。
「迷子にはならないでくださいよ」
「自分の妻がもう裸にされていると言うのに相変らずどんくさい人だなぁ」
「ああ……赦して……」
 それでも緑は、バレる事が怖くして仕方がないのだ。
『人間がこんな所まで来たのか……そうか生殖行為で楽しんでいる最中か……全部機械にさせればいいと教えたはずだったのだがな……もっと幸せになる方法があるというのに……人間よ残念な話だ』
 突如として緑の脳裏に言葉が響く。
「なに? 誰?」
「うわぁああああああああ!!」
 突然の大きな音に緑は不安感を煽られる結果となった。
「あなたぁ!」
 犯されている最中に男達をはねのけ、走る。
「あ!」
 そこには倒れている夫の姿があった。
「あなた、大丈夫? あなたぁ!」
 自分が半裸であることも忘れて抱き寄せる。
「ぐぅ~」
「え?」
『その男には価値がある、だからなのだよ』
 その声が再び脳裏に響く……
『良く来た、この星を見せてやろう……文化発展の最終的な結論がこの星なのだ』
 今まで見えていなかった都市が周りに浮かび上がる。
「え? どういう事?」
「なんだ!」
「何が起こっているんだ!」
 誰も答えを持ってない、唯一の存在を除いて……
『見せてあげよう……』
「これかな?」
 聞こえる声に従う。
「これって……」
 ザザーーーっと開かれていく地面の下には無数の……
「お墓?」
「生命維持は行われているみたいだな」
『これが文明の最終形態という事だ、惑星シャインの文明が選んだな……宇宙中がこうなれば良いのだよ』
「選んだ?」
 緑には何を言われているのか理解出来なかった。
「みんな寝ているわ……」
 無限に近い程のカプセルの中でずっと人が寝ているのだ。
「地球人に似てる人が多いわね」
 宇宙の人種バランスも気になる所だ。
『幸せな夢を観ながら生涯を遅れるのだ、失敗の不案が無い安定した人生がそこにはある』
「そんな事! あっ」
「私?」
 そこには緑の身体が寝かされていた。
「あ……あなた!」
 その横には夫が更にその向こうには共に宇宙を渡って来たクルーたちが寝ている。
『君たちにも幸せな人生のおすそ分けだ……全ての民に幸せにして現実は機械が全て行うのだ』
「思い出した……」