「走輔気分ももう終わりみたいね」
 ちょっと残念に思う美羽が居る事を必死に心の奥にしまい込む。
「そんな権利なんてどうせもうないもの」
 プ~~~ン。
 ベシャッ!!
「きゃぁあ! 何よこれ!」
「フハハハハハ!」
 お腹の中から笑い声が響いている。
「また人のお腹を膨らませたい変態ね!」
 こういう変態には美羽は慣れていた、いつもの事だからだ、しかし今回の変態は度が過ぎていた。 
「ドンロボタロウ!!
 グボンッ
「あ……ダメな奴だ……これ……」
 腹部の皮膚がほぼ無限大に伸びて、その中にロボを受け入れている。
「フハハハハハハハ!!!!」
 プクプクプク……
「くっ……息が出来ない……何故だ……産道が狭い……あ……」
 ドンモモタロウ胎内巨大化ノーワン鬼……窒息死、脱落。
 ピーポーピーポー……
 ザンギャックTV局内でレッドから普通に戻った内の数人が
「救急車!」
 息を引き取って巨大ロボから人のサイズに戻っていくのを横目に見ながら救急を呼んだのだった。
 カラカラカラ~
「患者さん入ります」
 美羽の無残な身体が緊急オペ室へと運ばれていく。
 シュコーシュコー
「意識レベル低下、もう何があっても起きないぜ」
「オペを開始します、メス!」
 こうして美羽とお腹の中の人物を救うための必死のオペが始まった。
 キュキュッ
 テキパキと大きく開かれた腹部が縫合されていく。
「これで良し」
 そっと美羽の肩に手が当てられた。
「大丈夫、私失敗しないから……男の人も助けて見せるわ」
 無意識下で美羽はその声を聴いて安心していた。
「ひひひひ、この女だぜ」
 ギンガレッド体格強姦ノーワン鬼はベッドに横たわる美羽を見て涎を拭う。
「誰が見ても大きくしたい身体だ」
 彼は巨大女との体格差レイプを趣味とする変人だ。
「アースの力抽入!」
 ふわぁっとした力が美羽に注がれる。
「何してやがる?」
「ん?」
 そこにはニンジャレッドオペ中浣腸ノーワン鬼が監視していた。
「そこまでだぞ」
「うりゃぁ!」
 逆手にして腕関節を決め、投げ飛ばす。
「小夜先生の手術を失敗で終わらせるんじゃねぇよ」
 ギンガレッド体格強姦ノーワン鬼はそのまま変身能力を失った。
「ひひひひ、この女だぜ」
 レッドレーサー精液ボテ腹ノーワン鬼はベッドに横たわる美羽を見て涎を拭う。
「誰が見ても大きくしたい身体だ」
 彼は大量射精によるボテ腹化だった。
「ったくよ、変態ホイホイかよ」
 シュシュシュシュッ
「ん?」
 ビュルビュルビュルビュッ
「うぉお!!」
「ほら全部出しちまえ!」
「うわぁ男に射精させられちまったぁ」
 ニンジャレッドオペ中浣腸ノーワン鬼がレッドレーサー精液ボテ腹ノーワン鬼のちんこを扱いていた。
「ったく小夜先生のオペを失敗にするなって言ってるのによぉ」
「まてまて!」
「傷口を見てみろよ!」
 レッドレーサー精液ボテ腹ノーワン鬼が美羽の腹部を指差す。
「え? あれ治ってる」
 大きな男を出すために必要だったとはいえ、そこに付けられていたはずの傷跡は無くなっていた。
「ほら見ろ! 俺の精液は相手の身体にも無理が無いように治療しながら発射できるんだよ! 男の手でせんずりさせられる謂れはないの」
「だって、俺はそんな能力知らんもん」
 二人のエロレッドはまるでじゃれている様だった。
「ありがとう」
「え?」
「いつも来る連中は私の事なんかただのデブくらいにしか思って無いのに、私の身体を気遣ってくれるなんて、あなたは良い人なのね」
「いや、それ程でも……はい」
 まさか褒められるとは思っていなかったので、レッドレーサー精液ボテ腹ノーワン鬼は畏まってしまう、女性に対してちゃんと話したことが無かったのだ。
「治ったなら退院だな、手配して来るぜ」
 ニンジャレッドオペ中浣腸ノーワン鬼は呆れながら部屋を出て行った。
「あなたのお陰で退院出来ました」
「いやぁそれ程でも……」
 何故か二人で並んで病院から出てくる。
「探偵業に戻ってもなぁ……」
「お手伝いしますよ」
「ああ……もう……」
 公園の前を通りかかった時、女性の泣くような声が聞こえて来た。
「美羽さん、あれ!」
「あれって、エロレッドの一匹ね!」
「うりゃ! どっか行けぇ!」
 レッドレーサー精液ボテ腹ノーワン鬼がシシレッド多乳首母乳ノーワン鬼を追い出す。
「アイム! 大丈夫?」
「美羽さん……あんまり大丈夫じゃないみたいです」
「まて、こんな事は止めるんだ!」
 シシレッド多乳首母乳ノーワン鬼を追いかけたレッドレーサー精液ボテ腹ノーワン鬼は和解しようと思っていた。
「これでもくらえ!」
 シシレッド多乳首母乳ノーワン鬼が攻撃したのは、星座の形で乳房を作る能力、レッドレーサー精液ボテ腹ノーワン鬼のちんちんを乳房にして破滅へ導く作戦。
「え?」
 何も起こらなかった……
「お前さ、男のちんちんがおっぱいになって萌えるのか?」
 根本的な回答だった、彼らの力は戦うためじゃなく自らの萌えを実現するための物だから。
「確かに萌えない」
「そこにいたかぁ~」
「「ぎゃぁあああああああああああああ」」
 二人は変身能力を維持出来なかった。
「ん?」
 何処かで悲鳴が聞こえた気がしたのだが。
「では病院に搬送しますね」
「よろしくおねがします」
 小夜は稀代の名外科医だから、アイムのあの異常な乳房も何とかしてくれるだろう。
「おい、美羽!」
 突然訳の分からないレッドが登場した。
「あれ? 兄貴は?」
「何しにきたのよ?」
「俺は兄と違う、おっぱいじゃなくマ〇コが好きなんだ!」
 ルパンレッド多マ〇コノーワン鬼は堂々と宣言した。
「へぇ あんた勘違いしてない? 私が弱いとか思ってる?」
 美羽は考えていた、おっぱいを大きくされたり腹を妊娠しても居ないのに大きくされたり何か魔力を持ったストーカーに取り付かれたのかもと……でも、美羽は困った人を助けたいと思う気持ちが無くなることが無かったのだ。
「レッツゴーオン!」
 
「私普通に強いのよ」
 欲望塗れなレッド一人美羽の勝てる訳はないのだった。
「いつも助けられちゃってるからね、今回は私が全部を助けるよ」
 それは覚悟だった、胸が大きくされると性的な興奮が増すのは知っている、でも世界を守る快感はそれよりも遥かに大きいのだ。
 膨れ上がった腹と胸の重さで動けないまま犯され続ける早輝がその場にいる。
 だがその時
「フリージングダガー!」
「ぐわぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
 ピキィイイイイイイ!!!!
 挿入された熱い肉棒が一気に冷たくなる感覚にマンコが収縮する
「ひっん!?」
 ゴーオンシルバーが早輝を犯すノーワン鬼を斬り氷漬けにした。
「早輝!」
 マスクを脱いだ美羽の顔が曇る、早輝はまるで自分が何度も経験したのと同じ姿……正確には悪博の時とそっくりなサイズになっていて顔の前には頭と同じサイズになった乳首から母乳が流れ出ていた。
「あああああああ!!!!」
 ズポポポポポポンッ!
「きゃぁあ!」
 早輝のあそこから子供が爆発するように産まれ出る。
「いやぁああああああああ」
 子供の次には早輝の胸全体から噴水のように母乳が周囲に吹き上がる。
「ダメェ!!!」
 パチャ……それは美羽にも降りかかる。
「んぁ!」
 胸が膨れて行くのがわかる、あっという間に服の中がパンパンに大きくなっている。
「よくも氷漬けにしてくれたな、だがお前たち2人をこうすることができたのは幸運だ。」
「うっ、はぁはぁ……きつぃ」
 腹も膨らみ身体が重くなる
「いくら強がったってお前は淫乱なただのデブだ。自分が弱いのを認めたらどうだおっぱいの美羽ちゃん?」
「確かに私は胸が感じやすいわよ…でも、んっ」
 美羽には秘策があった。
 グワシッ
「良い胸だ! もっと大きくなれ!」
「闘魂ソウルセット……レッツゴーオン!」
 美羽は闘魂ソウルセットをセットしたウイングブースターを自分の胸に向けて撃った。
「何をする気だ?」
「うぐぅ! はぁん! あぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!」
 パ―――――――ーーーンッ!
「うわぁあああああああああああああああああ!!!!」
 エロレッドは美羽の胸に堆積したエネルギーが一気に解放され、吹き飛ばされる事になった。
「言ったでしょ! 私は強いんだって!」
 それは別のエロレッドに言ったはずだった。
「美羽ぅ」
「ん?」
「この子たちどうしよう?」
 エロレッドに産まされた新しい命は、もちろん消えていなかった。