黒沢 美歌
金田一少年の事件簿
そこに映されていた物の正体……の図
金田一少年の事件簿 1 オペラ座館・新たなる殺人…外伝 店の親父の話では、裏モノと呼ばれる代物は大きく分けると、四種類に分かれるらしい… 一つ目は、表と言うか普通のアダルト作品が、何らかの理由で流失して、それが局部のモザイク処理されずにか、または処理を外されて裏ルートで流れ出る代物… 二つ目は、元々裏ルートで流す事を目的に製作された代物で、当然の事ながらモザイクとかの処理は施されていない… 三つ目は、個人所有のプライベートな物が、何らかの理由で裏ルートに流れ出た代物… 大まかに分けると、この三種類が一般的に出回る裏モノだそうだ…が、何事にも例外と言うものがある。 最後の四つ目の代物…滅多に無い事だが、俗に言う犯罪がらみの代物…本来なら、裏ルートでも流れる事は無い代物…が、何らかの理由によって出回ってしまった代物… 「で…その四つ目の裏モノを俺に売りつけようてのか?」 親父はニヤリと笑って言う。 「そうだ…これでどうだ?」 そう言って指を一本立てる。 「1万円か?」 普通の裏モノならば、高くても数千円(または3本セット出1万円前後と言うとこか?)なのだが、親父は顔を横に振る… 「んじゃ…千円?」 いや、これは冗談で言ったのだが、親父はくるりと後ろを向いて、店の奥に入っていこうとした。 「ああ!すまん冗談だ、10万円…だろ?」 親父は俺の方に向き直ると、ニコニコと布袋か恵比寿を思い起こさせるような笑みを満面に浮べたかと思うと、こくりと頷く…現金なもんだ。 「しかし、10万てのはな…高くないか?」 俺の問いに親父は笑い顔を浮べながら、答える。 「なんなら、視聴するかい?どのみち、まだダビングをしてないから、そのついでに視聴してみるといい…無料でな、それで不満だったら買わなくていいぞ」 親父の自信満々の言葉に俺は引かれる…この親父がこれ程までに言い切り代物…確かに損はないだろう。 俺は、その代物を買う事を前提にして視聴することにした…勿論、面白くなければ断るつもりだったが… ガチャガチャと親父が、ビデオのダビングの用意をしながら、このテープの由来を話し出す… 元々は、親父の店に来る常連客の一人…この男が、なかなか立派な変態で、裏モノを中心に結構な量を買い込んでおり、最初はキチンと金を払っていたが、一度ツケにしてやったのが悪かった…次々にツケで裏モノをkもって行く始末…流石に、すぐに溜まったツケを払えと詰め寄ると、金が無いとほざく…腹を立てて、付き合いのあるヤクザに話を持って行こうとした時に、男は秘蔵のビデオを借金の代わりダビングさせてやるから、それで勘弁してくれと泣き付いてきた… それが、このテープだと言う… 無論親父は、キチンとチェックした…そして、それで話をつけた…つまり、それだけの価値がある…いや、それ以上の価値があるテープだと言う事だ…それが、一週間前の出来事… 無論、親父が手に入れたのはマザーテープではなくて、マザーテープからダビングした代物だ、それもダビングしたのは今目の前にある、これ一本だけ…かなりの貴重品と言える。 「おい…どんな内容なんだ?」 俺の問いかけに、ビデオをセットしダビングの準備をしながら答える… 「見てのお楽しみ…まあ、ヒントを言えばだ…年齢は17歳、処女、輪姦、凌辱、やらせなし…て、とこかな?ついでに言えば、かなりの美人だぜ…ケケケ…」 親父の言う通りの代物だとすれば、確かに貴重品と言うか、滅多の目にかかれない逸品だろう。 「よし…準備完了だ、ダビング…開始」 灰色のノイズがTV画面に映し出される…そして、それは悲鳴と共に始まった。 ************************************** 『いやぁぁーー!!』 何処かのマンションの一室、逃げ回る少女と、その少女を追いかけ回す男の姿…家庭用にビデオカメラで撮影されていると思える画像の中で、少女が狭い室内で追い掛け回された末に、男の捕まりベッドの上に捻じ伏せられた。 『やめてください!助けて、助けて能条さん!いやぁぁーーー!!』 泣き叫び、助けを求める少女を捻じ伏せた男が、ゲラゲラ笑いながら少女の衣服を脱がしていく… セーターが脱がされ、薄いピンク色の下着が露になるが、それすらすぐに引き千切られ、白い乳房がブルンと剥き出しにされ、乱暴に揉まれ、その乳房に男がむしゃぶりつく! 『ひっ!やだっやめて、やぁぁーーー!』 頭を振り乱し、悲鳴あげ抗う少女頬に、平手打ちが炸裂する。 『あうっ!』 大人しくなった少女の乳房をしゃぶる唇は、乳首を頬張り舐め転がす。 唇が乳首から離れる…細く繋がった涎が、ポタポタと身体の上に落ちて肌を濡らしていく、その涎が引き伸ばすかのように掌が伸ばされて、再び乳房を揉み上げ嬲る上げて行く… 下半身…ズボンが完全に剥ぎ取られ、上と揃いのピンク色の下着だけになった下半身、その下着に手が掛かり一気に引き下ろされ股間か、剥き出しにされる。 『あっ!いやっ!やぁぁーーー!!』 抗う少女の声を無視して男が、両足を大きく広げる…大きく曝け出された下半身、しっとりとした草むらが股間に生え揃う… 男の頭が少女の股間に沈み込む… 『あっ!だめぁぁめぇぇぇーーー!!いやぁぁーーーー!!」 ペチャペチャと言う湿った音がする… 『うっ…うぅぅ…やだぁ…』 喘ぐような声を出す少女を、男はうつ伏せにして尻を持ち上げる…そして、剥き出しとなった秘孔へと、自分の逸物を挿入した。 『ひぃぃぃーーーーー!!』 一際高い絶望の悲鳴をあげる少女の股間へと、男の逸物が沈み込んでいくのが画面にアップになる…裂けた股間から流れ出る、破瓜の血…太腿を伝いシーツへと落ちていき、点々とシーツを赤く染めていく… 激しく動きながら、背後から乳房を嬲り、身体を汚していく男…抗う少女の身体を押さえ込みながら、暴力で屈服させ犯していく男…この時点で、少女は気がつく…今この姿を…男に犯されている姿をビデオに撮られている事に… 『いやっ!カメラ!ダメ!』 手を伸ばし、必死に自分の姿を撮影しているカメラを?ぎ取ろうと足掻くが、尻を押さえつけられ、さらに身体の奥深くに逸物を挿入されている姿がビデオに記録されていく、大きく開け放たれ必死に哀願を繰り返し、流した涙と破瓜の血をポロポロと零し染め上げていく姿…背後から突き上げられ、引き戻され、足を抱え上げられ、腕を押え付けられ、抵抗を捻じ伏せられながら、執拗に犯されていく姿がビデオに撮られ続けていく… ビデオだけではない、写真も撮られていく… 『やめてぇぇーーー撮らないで、やめてぇ!おねがいだからぁぁーー!!』 男が少女の身体の上に完全に覆い被さる…深く挿入されたままの逸物… 『ひっ!だめ!だめ!出さないで、中はいやぁぁーー!!』 男は少女を離さない…ピタリと腰を密着させながら、男は蠢き…少女の胎内にドロドロとした汚物を吐き出し…染み込ませていく… 『あっ…あぁぁ―――やぁぁーーーー!!』 胎内に染み込んでいく感触を少女は感じながら、拒絶の叫びを上げるだけしか出来ないでいた。 ズルリと…股間から逸物を引き抜いた男が、立ち上がり画面から消える…そして、先程の男とは別の男が、画面の中に現れ…少女を犯し始めた。 仰向けにされた少女の身体の上で男が蠢く、ぐたりとした少女の身体が嬲られ続けていく、乳房が揉まれ尻たぶに指が食い込む、そして泣き濡れている顔に男のペニスが突きつけられた。 『ひっ!』 ぐったりとしていた少女が、目の前に突きつけられた逸物を見て、小さな悲鳴を上げ逃げ出そうとしたが、髪をつかまれて逃げる事を許されない…少女の口に、逸物が突き込まれた。 『うつぐぅぅぶぅあぁっ!』 グポグポと、口に突き込まれ出し入れされる逸物…てらてらと唾液で濡れている… 『うぶぅつ!!』 目が限界まで見開かれ、頬が大きく膨らむ…唇の端…鼻の穴…白くどろりとした粘液が、溢れ出して汚していく… それらの事も、ビデに写し撮られていた… ビデオカメラのアングルが固定される、ちょうどその中心辺りに、ぐったりとした少女が横たわっている…二人の男が、その少女に襲い掛かる、人形のように嬲られながら犯されていく少女… 『あつ…ああ…能…条さ…ん…』 微かに動く少女の唇が、誰かの名を呼ぶ…呼びながら、獣と化した男達に犯され続けていた… ダビングが終了した… 俺は、何も言わずにポケットから、10枚の一万円札を取り出すと親父に渡す。 親父はダビングが済んだばかりのビデオを俺に手渡してくれた。 「それじゃ…」 クラクラするほどの激しい興奮に俺は、親父に挨拶をするだけで精一杯であった…耳の奥には、少女の悲鳴と断末魔にも似た叫び声が、まだ染み付いている… 店の奥から外へ出ようとした時に、目の前に一人の男が現れる。 男は胸ポケットから黒い手帳…警察手帳をを取り出すと、親父に向かって言った。 「ちょいと聞きたいんだが…」 少しだけ考えるような表情を浮かべた後で、言葉を続ける。 「滝沢と言う男から手渡されたビデオを出して貰おうかな?」 結局は、親父がビデオを差し出した…そして、俺がダビングしてもらったビデオも同時にである…叩けば埃の出る商売…それを不問にすると言うのが、交換条件であった。 否応も無い…俺も脅された…諦めるしかなかった。 もうダビングした代物が無い事を確認して、もしもこのビデオが出回った場合の脅しをたっぷりと言ってから、男…その刑事は店を出て行った。 * ************************************** 「剣持警部、どうでした?」 一人の少年が、店から出てきた男…刑事に話しかける。 「ああ、無事に回収できたよ…しかし、あせったな…まさか、滝沢の奴がビデオをダビングしてなんてのは…」 「そうですね」 能条光三郎の最後の望み…恋人であった黒沢美歌が、犯されている所を撮影したビデオを回収して、この世から消滅させる事…滝沢のマンションにあったには、川へと捨て去ったが、その後にとんでもない事が、部屋の残されていた滝沢の日記から判明した。 借金のカタとして、近所の裏ビデオ屋にダビングしたのを譲ったと言う事…三人もの人間を殺してまで守ろうとした秘密…この事を知っているには、剣持警部と金田一少年だけであった。 その事実が判明した直後に、彼らは日記に書いてあった裏ビデオ屋に直行して、ビデオの回収に成功したのである。 最後に残された二本のビデオテープ…下に流れる、どぶ川にそれを投げ捨てる…ジャポン!と言う水音…それで、全てが終了した…はずであった。 刑事を名乗る男が、出て行った後、俺は親父に言う。 「おい…金は、返してくれるんだろうな…」 親父はポケットから、一万円札を俺の前に黙って差し出す…差し出された枚数を数える…9枚しかない 「おい…一枚足りないぞ…」 「へっ、そりゃビデオの鑑賞代だ…」 文句を言おうとして…やめた、確かにあれは1万円以上の価値がある代物であった…たった一回しか見れなかったとしてもだ… 店を出て行こうとした俺に、親父が封筒を一通差し出す。 「ビデオはダビングしたもんは無いが、写真の方については聞かれなかったからな…オマケだ」 手渡された封筒…その中には数枚の写真があった。 ビデオの中で犯されていた少女の無残な姿を写しだしている写真を… 「出すなよ…」 親父の言っている意味は理解した…けして表に出さずに、自分だけで楽しめと言う意味だ。 「了解…」 おれは、一言だけ言って店を出る…ポケット中に、切り取られ焼き付けられた少女の無残な姿を持って… 金田一少年の事件簿 1 オペラ座館・新たなる殺人…外伝 終 蛙雷さんに頂きましたありがとうございました。 |