「おうおう濡れてきちゃって 俺ショック」
 勝手な事を男はほざく
「やめて! おろして!」
 理解出来ない状況に思考が追い付かずに悲鳴をあげるしかない
「これか散歩に行くよ」
 満足行くまで観察したのか美砂を下ろした
「帰してくれるの?」
 美砂は泣き声を押し込め、安堵の声をあげる
「うんにゃ」
 男は三点に結ばれた釣り糸を引いて外へと向かった