「そうか、ここかよ」 美砂が彼と待ち合わせをした場所、中央にある大銀杏の前だった 「おねがい、いやぁ、彼が来るわ! ここはダメなの!」 今までで一番慌てている美砂を嬉しそうに男達は 「まあ、俺達も鬼じゃないし」 そういいながら両手を枝から吊り、三点の釣り糸も吊り上げていく 「なんで! 外してよぉ」 涙があふれて声が震える 「ほら、ペンキを塗ってやる君は人じゃなくてブロンズの置物さ」 白い肌も、赤い髪も緑色に染まる。