「ガキの腕うかつに動くと折れちまうぜ」
 それだけで千鶴を止めることが出来た
「お願い……私に何してもいいわ……子供達をこれ以上巻き込まないで、お願い……私はどうなってもいいから」
 監督に涙ながらに訴える、本心であることは監督にだってわかる、しかし
「悪いなぁ 最初ならそれでよかったんだけどよ」
 監督は千鶴の胎内で腕を動かす少年と胸を交代して次の子供に母乳をゆする子供を見ながら
「今は……もうダメだろうなぁ」
 つぶやくのだ
「なんで……なんでこんな事に……」
 絶望が千鶴を包んだ
「ひぃい! ひぃいいい!」
 再び少年の動きが激しくなり千鶴は何も考えられなくなった
「まあ、ここはこれからも那波千鶴シリーズを撮影するのに使われつづけるのさ」
 監督には次の構想までありそうだった