──小島有希(6)──       作:SYARA




 僕の調教は、それでもまだ、終わらない。
 有希が陥落して、自ら隷属の誓いを口にするまでは、計画は成功とは言えないのだ。
 徹底的に有希の勝気な精神を蹂躙し、屈服させる──期待と歓喜に、僕の身体はぶるぶると震えていた。


 僕は、気絶から覚めても呆然としたままの有希に筆を近づけた。
「…………」
 ほとんど感情の無い視線で筆先を見つめる有希。
 だが筆が首筋に触れた瞬間、その様子は一変した。
「ひぃぃぃ……っ!!」
 ざわざわざわ、と有希の腕や太腿に鳥肌が立ち、早くも可愛い乳首がゆっくりと隆起を始める。
 すぅっ、と撫で下げてやると、有希は仰け反ろうとして全身を粟立たせた。
 快感を逃がそうとして必死に動こうとしているのだろうが、その目論見はとうてい成功しているようには見えない。
 すーっ、すーっ、と脇腹から耳の裏までを往復させてやると──
「あっ、あっ…………ひ……………あああああ!!!!!」
 有希は十数秒も経たないうちに、全身を震わせて絶頂を迎えてしまった。
(いいぞ……なんて感度の良さだ……まだあれしか調教していないと言うのに……)
 僕はほくそ笑みながら、有希の耳の穴に筆先を差し込んでやる。
「うわぁぁぁぁっ……ああ、あああぁぁぁーーーーーーーーーーーーーーーっ!!!!!!」
 びくびくびくん……
 有希の背筋は、拘束を引き千切ろうとするかのように、ぎりぎりと音をたてて仰け反ろうとしている。
 大きく開かれた両脚の中心では、薄ピンク色の綺麗な秘肉が早くも愛液を流し始めていた。
(僕が思った通り、有希は逸材中の逸材だな……くくく、くくくくく……)
「あ……あ!!!!! や…………めてぇっ!!! い、や……ぁぁぁああああああああああああっ!!!!!!」
 僕の思うがままに、有希は若鮎のように跳ね回って絶頂を重ねていく。
「もう、も……う!!! ゆる……し、て…………っ………………────────うわぁぁぁああああああああああああーーーーーーーーーーーっ!!!!!」
 耳の穴に舌先を差し込んでやると、有希はまた身も世も無い叫び声をあげて絶頂した。
(こんな美少女を思うが侭に出来るなんて……なんて幸福なんだ、僕は……)
 僕は至福の喜びをかみ締めながら、全身を筆で攻めてイキ狂わせてやった。

 ◇

「やだ……もうやだぁ……」
「……」
 ブブブブブ、と音を立てて振動するローター。有希は段々と近付いてくるそれを、恐怖の表情で見つめていた。
 逃げることも、首を左右に振ることすら出来ない。有希に残された最後の自由──それはただ、涙を流すこと──それだけだった。
「さぁ、今度は一番大事な部分のお稽古だよ。頑張って、もっと敏感な女の子になろうね……」
「いやぁぁ……」
 有希はかすれた声でうめくだけだ。目の前で回りつづけているビデオカメラと僕の顔を交互に見て、諦めたように目を伏せる。
 僕は有希の視線の中、ローターの先で有希の脇腹を撫で回した。
「ひんっ……くぅ……」
 開発されてきた有希の身体は、素直に刺激に反応してぴくん、と震える。
 僕はそのままローターをつぅっと動かし、左側の乳首に押し付けてやった。
「ひぃっ!! な、何を……」
「気持ちいいだろう? しばらくこのままにしてあげるからね……」
「えぇ……?」
 戸惑う有希をよそに、僕は乳首のローターをガムテープで貼って固定していく。
「や、やぁ……やめて、やだぁ……やだあああ!!」
 何を意図しているのかを知り、有希は再び激しく抵抗しようとする。だが長時間拘束された身体は、もう言う事を聞かなくなっていた。
 さしたる苦労もなく、ちょうど乳首に真っ直ぐに刺激が行くように、固定することができた。
「いやぁぁぁ……」
 休みなく襲いくる刺激に、有希は力無く震える。刺激された乳首が勃起し、更にローターの押し付けられて刺激される──どうしようもない悪循環が有希を苛んでいた。
「取って、取ってよぉ……」
「何を言ってるんだ、これからなんだよ」
 僕はそう言い、もう片方の乳首にももう一つローターを貼り付けてやる。
「やっ、やぁぁぁっ……こんなの嫌ぁぁぁ……」
 自由を許された唯一の部分──胴体の上部が、くねくねと艶かしく動いていた。
「うぅ、う……」
 有希の瞳から涙がこぼれる。だが悲しみに満ちたその眼も、たちまちのうちに湧き上がる快感に霞んでいった。
 必死に快楽に耐える、その表情──頬を赤らめ、ぎゅっと唇を噛み締めて、見ている私の劣情を更に更に煽り立てていく。
 痺れるように甘い刺激──痛みに耐えられる人間はいても、快楽に耐えられる人間などいはしないのだ。
「と、取っ……て……やだぁぁぁぁ……」
 ぽろぽろぽろぽろ、とこぼれる涙。プライドの高い有希にとって、この調教は拷問にも等しかったに違いない。
 その、恥辱にまみれた表情──最高の光景だった。自らの身体に裏切られ、煽られて追い込まれていく様は、僕の陰茎をびくんびくんと奮い立たせていく。
 もう少しだ。有希の全てを手に入れるまで──成功は、もう目の前だった。
「取ってよぉ……うぅ…………っ!!! やぁ、やめて、やめてぇぇ……」
 乳首はキリキリと屹立してピンクローターに押し付けられ、その刺激を更に強めていく。有希の身体が震え始めていた。
「なんだ、もうイキそうなのかい? これじゃぁ先が思いやられるなぁ……」
 僕はそう言いながら、3つ目のピンクローターを手に取った。
「ひ……!!」
 再び、有希の表情が恐怖に歪む。
「……そう。まだ、だ。一番敏感な処なんだから、ちゃんとお稽古しなきゃね……」
「いやぁぁぁ……」
 ヴヴヴヴヴ……
 音を立てて振動するピンクローターが、有希の秘裂へと近づいていた。
「やめてぇ、もう、やめてぇ……お願い……」
 初めて有希の口から、哀願の言葉が洩れる。もう彼女のプライドはボロボロになっているのだろう。
 どうしようもなく自分の身体が悦びに震えてしまうのを思い知らされ、その光景をビデオに撮られ──あどけなさの残る少女には耐えられない程の恥辱を味わわせてやったのだから……。
 だが、彼女を色情狂にするつもりはなかった。そのプライドを打ち砕き、身体に快感を教え込み──それでも、彼女の理性は残すのだ。
気高い精神と淫靡な肉体──その矛盾を抱えた少女こそが、人間という存在を、そして女という存在を象徴する美しきガラス像なのだ。
 涙に濡れて快楽を拒む有希──だがその表情は、もうすぐ女の悦びを浮かべる事になる……。
「あ、あ、あ……」
 有希の食い入るような視線の中、ローターは彼女の秘裂へと侵入しようとしていた。
 まだ誰にも荒らされた事のない、彼女の秘密の部分に、淫靡な機械が侵入する……。
「さぁ、行くよ。これだけヌルヌルになってるなら、経験のない有希でも大丈夫だよ」
「お願い……お願い、そこだけは、やめてぇ……」
「大丈夫だよ、バージンを奪ったりはしないから。そうだな……これから10分の間、有希が10回以上イかなかったら許してあげよう」
「え……!?」
「だから、10分の間これからやるローター攻めに耐えられたら、開放してあげると言ってるんだよ」
「…………」
 有希の瞳に生気が宿る。
「ただし、10回以上イッちゃったら、有希は完全に僕のモノになる。いいかい?」
「本当……?」
「あぁ、本当さ。鈍感な娘は僕の所有物にはなれないからね……どうだい? やってみるかい?」
 無論、絶対に耐えられないようにはしてあるけどね──僕は心の中で、ぺろりと舌を出した。
「…………」
 有希はただ黙って、僕の言葉を聞いていた。
「イヤとは言わないんだね。じゃぁOKだと見なすよ……」
 僕はそう言い、有希の視界の外でニヤリと笑った。



 僕は、料理用のタイマーを有希の隣に置いて言った。
「じゃあ、このタイマーで10分だ。それまでにイッちゃった回数が10回未満だったら、有希は不合格……お家に帰らなきゃならない。頑張って合格しようね、有希……」
「誰が……っ!!」
 きっ、と僕を睨みつける有希。
 有希にはまだ分かっていなかった。一回でもイッてしまったら、もう我慢などできはしない事を……そして、10回もイッてしまう、という状態が、少女にとってどういう状態なのかを……。
「では、スタートだ。頑張ってね、有希……」
 僕は嘲笑を隠しながら、タイマーのスイッチを入れた。



 つぷつぷっ、という音とともに、ローターがぬるりと滑り込む。
「あぁっ!! あああああぁぁぁぁぁぁぁぁ……」
 異質な存在とその凶悪な振動に、有希の腰が、弾かれたように暴れだした。
「やあぁ、やぁ、やだぁぁぁ……」
 ヴヴヴ、ヴヴヴという振動音とともに、有希の声が歌うように上下する。
 初めて人に触られる場所にいきなりピンクローターの刺激を浴びせられ、有希の声はすぐに力を失っていった。
 僕はローターを動かし、膣内の上部──Gスポットの辺りに刺激を集中させる。すると──
「ああああっ、あああああっ、やだ、やだ、やだぁぁぁぁぁあああああーーーーーーーーーーーっ!!!!!」
 全身をぶるぶると震わせ、有希は絶頂してしまった。
(素晴らしい……)
 絶頂の渦の中で、愉悦の海を彷徨う有希を、僕は目を細めて見つめる。
「ああぁ、あ、ああぁぁ……うぅ、ううぅ…………」
 有希は全身に脂汗を流して、更なる絶頂に巻き込まれるのを必死に堪え始めていた。
 間断なく振動を続けるローター達は、有希を休ませてはくれないのだ。
「おやおや、もうイッちゃったのかい? まだローターを付け終わってもいないんだよ……」
「…………!?」
 僕の言葉に、有希は恐怖の視線を向けた。
「ほうら、もう1個……有希の一番、敏感なトコロにね……」
「あ……あ……」
 4つ目の、今までの物とは形状の違うローターが、有希の目の前に現れた。
 楕球形ではない、洗濯バサミのように何かを挟み込むように造られた形状……それが何を目的として造られているのか、性知識の少ない有希にもすぐに分かった。
「最近は、こういうグッズも色んな形のが出回っていてね……有希にぴったりのモノを見つけたんだ……どうだい?」
「いや……」
 その淫靡な形状に、有希は目を見開いた。焦燥、恥辱、恐怖、絶望……。様々な負の感情が綯交ぜになったその瞳に、僕は改めて魅せられる。
「では、行くよ……」
 そして、有希の隆起しかけたクリトリスに、食いつくようにローターが襲いかかった。
「いや……いやぁ…………いやあああああああああっ!!!!!」
 凶悪な振動。
 それは、直接電流を通されたような快感だろう。上手に設計がなされているそのローターは、隆起しかけた有希の小さなクリトリスをしっかりと挟み込んでいた。そして、その振動を余す事無く一点に集中させている。
「いやぁっ、取って、とってぇ……っ、あああああああああああああああ!!!!!!」
 有希はなす術もなく快感の波に飲み込まれていた。ローターは屹立していくクリトリスをしっかりと捕え続け、有希の快感の流れを容赦なくこじ広げていく。3ヵ所の振動だけでとっくに限界を越えていた有希には、もうどうしようもなかったのだ。
「3回目……」
 冷静にカウントする僕の声は、途中から有希の絶叫にかき消されてしまっていた。
「──き……ぃぃぃっ、やだぁっ、ああああああああっ!!!!!……ううぅ、こんなの、い……やああああああああああっ!!!!!」
「──ほらほら、もっと頑張らないと、もう4回目だよ……くくくくく、こいつはいい………そぉら、もう5回目だ……くくくくく……」
 有希の絶頂は、止めようもなく続いていく。楽しそうに腕を組んで僕が見つめる中、有希のカウントはどんどん増えていった。
「……どうだい? 特製のローターの味は……」
「う、ぅ……」
 このままイカせ続けるのだけが目的ではない。僕は一時的に、ローターの振動を弱めた。
「はぁ、はぁ、やめてぇ……もう、やめ……てぇ…………」
 ようやく呼吸を整えられた有希は、息も絶え絶えに訴える。
「ならば、誓うかい? 僕の所有物になると」
「…………」
 きっと、目をそらせる有希。
(これは気の強い……すばらしい意思力……これは、もっとじっくり攻めてやるか……)
「……なら、しょうがないなぁ。このまま後7分ちょっと、これ以上イカないように頑張るんだね」
 ヴヴヴン!!
 再びローターの振動を強める。途端に、有希の身体が跳ねた。
「くぁぁぁぁあああっ!!! やめ、やめっ…………うわぁぁあああああああああああーーーーーーーーーっ!!!!!!」
 ぎくぎくん、と引き攣り、有希はあっさりと絶頂してしまった。数々の攻めに疲労しきった有希の身体には、快感への耐性がほとんど残っていないのだ。
「6回目……そろそろ降参したらどうだい?」
「だ…………れがっ!!!」
 汗と涙でぐしゃぐしゃになった顔で、有希は僕を睨みつける。
「おやおや、頑張るねぇ。6回もイッているのにまだそんな言葉が出せるなんて……」
「く、ぅ……」
 だが、次の絶頂の波はすぐに有希を飲み込んでいった。
「…………も、う……や、め……………………ひ…………ぃ…………っっっ!!!!!!!」
 がく、がくがくがく、がく……
 有希の目から、焦点が失われ始めていく。
 間断なく、機械的に、有希の一番敏感な部分を攻めつづけるローター達。その単調な動きとは対照的に、有希の身体は妖しく蠢き、震え続けていた。
「や、め…………………………ひぃ…………っ!!!!!!」
「8回目……」
 もはや呼吸すらも忘れそうな勢いで、有希は絶頂を繰り返す。カッと見開いた眼からは、滂沱のごとき涙が流れていた。
 僕は有希の唇を無理矢理奪い、肺に空気を送り込んでやった。
「んっ…………!!!」
 首を振ることもできず、有希はそれを受け入れてしまった。
「ん……んん………………ふぅ……………………う、うぅ……」
「息ができないほど気持ち良いのかい? でもね、こんなところで死なれては困るんだよ」
 ファーストキスを奪われた悲しみを感じる暇もなく、次の絶頂が有希を容赦なく襲う。
 ぶるっぶるっ、と全身が震える。見慣れてきて分かったのだが、この痙攣が有希の絶頂の前兆らしい。
「ふぁ……あ………………ぁあーーーーーーーーーーーーーーっ!!!!!!」
 予想通りに有希は絶頂し、こぽっ、と音をたてて膣から大量の愛液を流した。尻の下のビニールマットには大きな水たまりができ、床まで溢れて滴っていく。
(それにしても……よく保つなぁ……)
 僕は震える有希を見下ろしながら、声を出さずに驚嘆していた。普通、9回も連続した絶頂に絶えられる少女などそうはいない。強い意思力とプライドが彼女を支えているのだろう。
 それが、結局は彼女を失神に逃がさずに、極限まで追い詰める事になってしまっているのだが……。
(これなら、10回以上の絶頂も本当に迎えてしまうかもな……)
 正気の光を失いかけた瞳を見ながら、僕はニヤニヤと笑っていた。
「ああ・あ…………も、もう、もう…………」
 がくがくがく、と痙攣しながら、有希はうわ言のように止めてくれと訴える。
「気……が、くる……っちゃ…………」
 わななく唇からは一筋の涎が流れ、次第に恍惚とした笑みの形を模ろうとしていた。
(ふむ、快楽に飲み込まれるまで後少し、か……)
「お……ねが…………」
 もう、有希の耳には何の音も届いてはいないだろう。今彼女が感じているのは、ただ快感、快感の連続……。
 精神を壊さないギリギリのところでの調教は、僕の得意技だった。
 この調教の後に有希が正気に戻っても、身体は覚えた快感を忘れはしない。強い刺激を受けた神経はその受容性を増し、より深く、大きな快感を脳に伝えるようになり、脳はより多くの快楽物質を脳内に流すようになる。これは、性奴のレッスンなのだ。
「あぐ、ぁ…………」
「……どうだい、気持ち良いだろう? 苦しいだろう? 逆らわずに、快楽に身を任せるんだ……」
 僕の言葉が有希に届いているかは分からなかったが、僕はそのまま言葉を続けた。
「快感に逆らおうとするから苦しくなるんだよ。もっと気持ち良くなりたいだろう? つまらないプライドや価値観など棄てて、僕に服従を誓うんだ……」
 言いながら、中空を見つめて震えつづける有希の後ろに廻り込む。 
「そうすれば、とびっきりの快感を味わわせてあげるよ……」
 そう言い、僕はローターの調節スイッチを捻った。
「くぁ、あ!!!! あああああ、あああああああああああーーーーーーーーーーーーーーーーっ!!!!!!!」
「……ほぉら、もう10回だ…………試験は合格だね…………」
「あぁ、あ……あぁぁぁ…………」
 絶頂の余韻とも、落胆のため息とも取れる声が有希の口から洩れていく。
「キミはずっと、ここにいていいよ……こんなに早く、しかも気絶もしないで10回イッたのはキミが初めてだ……」
「うぅ…………!!」
「キミは優秀な性奴になれるよ、これからも頑張ろうね……」
「うぅ、うぅぅぅ…………」
 絶望と恥辱と羞恥と、女の悦びの涙を流す有希。

 タイマーは、まだ5分を指してもいなかった。



 また、数刻後。
 正気に戻った有希を待っていたのは、恥辱にまみれた悔恨の渦だった。
「……くや……しい……悔しい……」
「不条理なものだね。こんな奴にイヤらしい事をされているのに、身体はそれに感じてしまう」
「……っ!!」
 僕の言葉に、有希はきっ、と僕をにらみ返す。
「ほら、違うというのなら我慢してみなよ」
 僕はそれに嘲笑で答え、クリトリスにピンクローターを押し込んでやった。
 ブブブブブブブ……
「うぅ……ううぅ……うぅぁぁあああああああっ!!!!」
 すっかりイキ癖がついてしまった有希の身体は、あっけなく絶頂を迎えてしまう。
「ほら、またイッちゃった。分かったかい? 本当に、有希はインランなんだ」
「あ……あ……あぁぁ……」
 ぶる、ぶると絶頂の痙攣を起こしながら、有希は恥辱と絶望に捕われていた。
「悔しいかい? 悔しいだろうね。でも、これが真実だ。キミはただのインランな女の子に過ぎず、僕の奴隷になるんだ」
「……誰が……!!」
 再び有希はにらみ返す。
 ──素晴らしい精神力。そう、それでいい。それでこそ屈服させる甲斐があると言うものだ。
 気の強い、精神の強靭な少女ほど、屈服させた後の達成感は大きい。僕は、そんな有希を調教できる自分の幸運に感謝していた。
「くくく。それでこそ……僕が見込んだ女の子だよ。これくらいの刺激で降伏されてはつまらないんだ」
 有希は僕の表情を見て、青ざめた。押さえきれない恐怖が、その顔に浮かぶ。
「キミはこれから、限界の限界まで追い詰められて、陥落するんだ」
 有希の耳に口を寄せ、囁くように言葉を送る。
「ひ……!!」
「もちろんその一部始終はカメラで撮っておいてあげるからね。記念すべき瞬間だからね──有希が、僕のものになる、ね」
「いやっ……」
「抵抗しても無駄だよ……時間は、たっぷりとある……そう、一年でも二年でもね。くっくっく……」
「い……やっ!! もういやっ!! いやぁぁぁああっ!!!」
 とうとう、有希はこれまでのプライドを投げ出して泣き叫んでいた。
 だがその表情でさえも、カメラは淡々と撮り続けていく──。


 もうちょっとだけつづくんじゃ