──小島有希(8)──       作:SYARA


 拘束台へと有希を運んだ僕は、そのまま有希の身体を固定していった。先刻までと、同じように。
 ただ、さっきまでの麻縄の跡が酷くなっているので、今回は替わりにゴムバンドを使う事にし、拘束の数も減らしてやった。
 3台のビデオカメラも三脚に固定し、アングルを確かめて録画スイッチを押す。
 ジー……
 フィルムに、半永久的に刻まれていく有希の身体……。
 僕は有希への次の調教を実行するために、眠ったままの有希に近づいていった。
 彼女を更なる悪夢へと導く、ある物を隠し持ちながら──。



 有希は、夢の中で豪華な風呂に漬かっていた。
 広い、純白の大理石の浴室。
 美麗な装飾品、高い天井……。
(ここ、どこだろう……)
 有希は気持ちよさに目を細めて、湯の温かさに身を任せていた。
 広い浴槽は有希が脚を伸ばしても全く問題もなく、全身を包む湯は有希の全身から緊張をほぐし、力を抜いていく。
 唯一奇妙な点を挙げるとするならば、そのお湯が妙にゼリー状の質感を持ったいたということか。
 その透明な温かいゼリーは時折ブル、と震え、奇妙な心地よさを有希に与えている。
(気持ちいい……)
 全身を湯に任せ、高い天井を見上げて有希はまどろみかけていた。
 ふと、湯の動きが活発になる。有希の身体を、ぬるりとした感触が覆っていく。
 有希の目蓋が、ピクリと動いた。
(ん……)
 暖かく、ぬるりとした「それ」は、有希の全身を──足の先から耳の後ろまで──丁寧に丁寧に愛撫し始める。
 有希は、うっとりとその動きを噛み締めていた。
(きもち、いい……)
 湯の感触は全身を撫で回しながら、次第にある部分へと重点を置いて愛撫し始めていく。
(……あ……)
 その部分は、胸と股間だった。
 ゼリーはぬるぬると有希の肌をマッサージしながら、少しづつその強さを強めていく──そして、それに合わせるように愛撫の動きも強くなっていた。
(……溶けちゃいそう……)
 有希は恍惚とした表情を浮かべ、全身が蕩けてしまいそうな快感を味わっていた。
 何もしたくない、このままこの快感に身を任せていたい──抗いがたい欲求に、有希の理性は薄れていく。
「……あっ!!」
 突然、今までに無い強さで乳首が摘まれた。高まっていた性感を一気に一点に集中され、有希は思わず艶のある声をあげてしまう。
 有希のその反応を見て、突然ゼリーの動きが強くなった。有希の身体は、たちまちのうちに教えられた快感に目覚めていく。
(……なに、今の……!?)
 今までの愛撫とは違う──それは、女体を知り尽くした者による「攻め」だった。
 乳首を摘んでいたゼリーは、今や好き放題に有紀の胸を弄り回していた。乳首をこね回し、磨り潰すように摘み、吸い付くように吸引し──そして乳房全体をゾクゾクするような優しさで撫で回す。
「あ、あ、あぁぁ……」
(や……やだ、やだぁ……)
 有希の喉からは、ひっきりなしに悦びのうめきが洩れていた。
 唇をわななかせ、綺麗な舌を覗かせて、有希はその快感の強さを訴える。その背筋は仰け反り、白い喉を見せていた。そして──
 ぬるり。
「ひあああっ!!!」
 股間にゼリーの感触が達した瞬間、有希は軽いアクメに達してしまった。
 余韻にわななく両脚を容赦なくこじ開け、ゼリーは有希のクレヴァスへと突進していく。
「うわ、あ、ああああ!!!」
 無茶苦茶な攻めだった。縦横無尽に、争うように、複数のゼリーの先端が有希の肉襞を弄り回す。本能的に有希は両脚を閉じようとしたが、圧倒的な何かに身体全体が押さえつけられていて、全く動かなかった。
 有希の大小の陰唇が、膣口が、尿道口が、クリトリスが──無茶苦茶に、しかも有希のポイントを的確に突くように攻められていく。
「だ、だめ、やめて、やっ、やめてぇぇっ!!」
 有希は息も絶え絶えに訴えるが、その声は聞き届けられなかった。容赦のない攻めは有希を確実に追い込んでいく。
 押し寄せる快感に有希の視界は──意識は霞み、真っ白になり、ただ快感だけがどんどんとその圧倒的な存在感を強めていた。
 自由に動く指先だけが、宙を掻くように蠢いている。
「あ、あ、ああぁ、あぁぁぁ……ああ、あああ!!!」
 もう、何も分からない──有希は薄れ行く意識の中で、その快感への抵抗を放棄していた。
 もうどうなってもいい、もっともっと気持ち良くなりたい──それだけが、有希の心を占めていく。
 そして、その望みに応えるようにゼリーの先は動いていた。
「き、きもちいい、きもちいいよ……す、すごい、すごいよぉ……」
 うわ言のように有希の口から洩れるのは、快楽の言葉だ。
 崩壊していく夢の中で、有希はただ快感にしがみついて、その快感を貪っていた。
「あ、あ、あ……イッちゃう、もう……イッちゃうよぉ……」
 そして、ゼリーの先端が有希のクリトリスをきゅっきゅっとしごいた瞬間──
「う、うわ、うわぁぁぁぁあああああああああああああああーーーーーーーーーーーーーーーーっ!!!!!!」
 有希は、全身全霊を放出するような激しい絶頂に襲われていた。



「あ、あぁ、あ……は……ぁぁ……ぁ…………」
「くっくっく……眠りながら絶頂しちゃったか……大したもんだ」
 僕は絶頂に打ち震える有希を見下ろしながら、ローションに濡れた掌を拭き取っていた。
 発汗作用のあるローションによる性感マッサージは効果覿面だったようだ。お陰で眠りながらイッてしまうという、素晴らしい映像を撮る事ができた。
 しかも、有希の寝言というおまけ付きだ。何か淫靡な夢でも見たのだろう──有希は恍惚とした表情で、快感を訴えていた。
「さて、次はこれだ……」
 僕はチューブ製の塗り薬を指先にとり、有希の粘膜に塗り込み始めた。
 びくり、と有紀の身体が跳ねる。
「……くくく、そうかそうか……まだイキ足りないんだね……じゃぁ、ついでにイカせてあげるとするか……」
 襞々の一つ一つにまで丹念に薬を塗りこみながら、僕は有希への愛撫を再開した。
「……ぅ……う、あ……あ、ぁ…………あ!!」
 少し休んでからの愛撫に刺激されてか、不意に有希が目を覚ました。
「あぁ……!!」
 自分の置かれている状況を見て、絶望に顔を歪めていく。
「やぁ、おはよう、有希……まだ寝てても良かったのに」
「あ……あんただったのね……寝ている間になんて、卑怯よっ!!」
 これほどの情況に置かれてもまだ、僕に噛み付く気力が残っているようだ。だがその抵抗にも、最初の頃ほどの激しさはない。
「おいおい、そんな事言うんじゃないよ……あれだけ気持ち良い、気持ち良いって叫んでたじゃないか」
「…………っ!!!」
 恥辱と絶望に、有希の顔色が変わった。身に覚えがあるのだろう──僕はニヤニヤと笑いながら、彼女の目の前にあるビデオカメラを顎で示した。
「ほら、あれで再生して見せてあげてもいいんだよ。ちゃんと最初から最後まで撮ってあげたからね」
 有希は言われて初めて、自分の股間の前にビデオが置かれているのに気がついたようだ。
 悪夢のような現実に歪む少女の表情──それは、僕にとっては芸術品と言えるほどの一場面だった。
「……人でなし……」
 目を伏せ、がくりと全身の力を抜いて、有希はうなだれた──実際には首まで固定されている今の状況では、大した動きもできなかったが。
「そらそら、休んでいる暇はないよ!! まだまだイキ足りないだろ? 僕がイカせてあげるよ……」
「いっ、嫌っ、あああっ!!!」
 再開された僕の愛撫に、有希は抗う事もできずに声を張り上げていた。
「ほらほら、ほらほらほら、気持ち良いんだろう?」
「いやぁ、いやぁぁ……あ、あああああ!!!」
 指の動きを速めただけで、有希はまた軽いアクメを迎えてしまう。どうしようもない状況に追い込まれ、感じてしまい、無念そうなその表情がたまらなく美しかった。
「いい表情だ……このままイカされたら、どんな顔になるんだろうね……どれ、試してみようか!!」
「い、い、いやぁぁぁっ!!!」
 僕は有希の視界の外で薬を指先にたっぷりととり、それを有希の膣に差し込んだ。
 つぷ……
「あぁ……っ!!」
 Gスポットを中心に、処女膜までのぎりぎりの部分を往復し、指先で薬を擦り込んでやる。
「あぁ、あぁ、やぁ、やめ、やめてぇ……」
 嫌悪や恐怖よりも、哀願の表情を含んだ眼差し。上擦った声をあげながら、有希は必死にその快感と戦っているようだった。
 ──しかし一度イッてしまっている身体というものは、あっけないほどに抵抗力を失っているものなのだ。
「……っ!! …………っ!!!」
 案の定、有希は程なく、声を出す事もできずに震え始めた。
「おや、もうイッちゃうのかい? まったく、有希はエッチな娘だなぁ」
 呆れた声を出しながら、僕は指の動きをどんどん激しくさせていった。より強く、鋭く、抉るように。
「かはぁ……っ!!」
 瞬間、有希の身体が跳ね上がった。拘束の中で全身を精一杯仰け反らせ、全身をぶるぶると震わせている。
「しょうがないなぁ、イカせてあげるよ──ほら、ほらほらほらほら!!」
「い……っ、いやっ、いやぁぁっ、いやぁぁぁあああああああああああああああああーーーーーーーーーーーーーーーっ!!!!!!!」
 親指と人差し指で、剥き出しのクリトリスとGスポットを挟むようにしごくと、有希は絶叫しながら絶頂を迎えた。
 絶望と、誤魔化し様がない快感にカッと目を見開き、絶叫する。その表情は予想に違わず、たまらなく美しかった。
「あ……っ、あぁぁぁ……っ、はぁ、はぁ、くぅ……っ!!」
 絶頂のさざ波は幾度となく有希を震わせ、その度にこぽこぽと愛液が溢れてマットを濡らしていく。まだ処女だというのに、ここまで性感が開発できたのは僕も初めてだ。彼女は素晴らしいコレクションになる──僕は震える有希を、恍惚とした笑みで見下ろしていた。
「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ……あ、あ、いやあああ!!!」
 無論、この僕がこのくらいで調教を終わらせるはずがない。再び蠢き始めた僕の指を、有希は哀願に満ちた視線で見つめた。しかし、それに答える僕の表情は、有希を絶望の底に叩き込む、微笑だった。
「さぁ、まためくるめくイキ狂いの世界を味わわせてあげる」
「あっあ……っ、やめ……も………………っ、あ、あああああああああああああああっ!!!!!!」
 有希のありとあらゆる弱点を──
「ひぃっ、ひ…………っ、やめ、やめ…………っ…………ひあああああああああああああーーーーーーーーーーーっ!!!!!!」
 乳首を、クリトリスを、Gスポットを、会陰を、脇の下を、耳を──
「こ、こんなのっ、こんなの……っ、いや、いやああああああああああああああああああああああああっ!!!!!!!」
 刺激し、愛撫し、更にその性感を引き出し、性感帯をこじ広げ──
「お…………っ、おねがい……っ!! やめ、やめてぇ、くださ………………ひ…………っ!!!!!!!」
 哀願の言葉を引きずり出し、それでも攻めは止めず──
「………………っ、……………………………………っ!!!!!!!」
 ぷしゃぁぁぁぁぁ…………
 有希が失神し、失禁するまで、絶頂の嵐は続いた。
「……………………」
 悪夢のイキ狂いを終えた時には、チューブ全部の薬を有希の秘部に塗り込んでいた。
 後はこの薬でどう攻めるか、だな──
 僕は意識を失った有希を見つめながら、「ズイキエキス入り」と書かれたチューブを投げ捨てた。


 続きます〜