──小島有希(10)── 作:SYARA
有希は正気を失ったように喚き、僕に哀願していた。
呼吸を激しく乱しながら、必死に「掻いてぇ」と叫び、空しく宙を掴もうとする。
ここまでくれば、もう完璧だった。有希は完全に、薬の疼きの前に屈したのだ。
まあもともと自分以外から与えられる快感など、これが初めてだったのだ。彼女に抵抗力があるわけがなかった。
「何でも言うこと聞くから、聞くからぁ……」
「そうかそうか、有希も大分いい子になってきたね……それじゃ、こう言うんだ……」
「う、うん……」
「うん、じゃない。はい、だろう?」
「は、はい……言いますから、言いますから早くぅ……」
すっかり有希は従順になったようだ。だがその瞳は焦点を失い、込み上がる疼きに必死の形相になっている。
この服従はあくまで一時的なものだろう。だがこれで、彼女の処女を奪う──それも、自分から奪えと言わせる──という痛打を有希の精神に打ち込めるのだ。調教の価値は十分にある。
「『どうか私の処女を奪って下さい、御主人様』、だ。言えるね?」
「え……」
一瞬有希は躊躇したが、たちまち憶脳の炎に炙られて、わななく唇を開いていた。
「どう、か……」
震える声でそう言いかけるが、流石にこの言葉を出すのは抵抗があるのか、中々続きを言おうとしない。
僕は、急かすように有希のクリトリスを針先でつついてやった。
「ひぃぃぃっ!!! どっ、どうか、どうかぁ……」
うわ言のように、有希は言葉を繰り返す。これでは埒が開かないと思い、もう一度針先を刺してやる。今度は包皮の中、薄ピンク色の突起の本体に──
「ひぃぁああああーーーっ!!! 言う、言います、言いますっ、だから、だからそれはやめてぇっ!!!」
「じゃあ、言うんだ……」
僕は針先を上げて有希の股間から離し、有希に服従の言葉を促す。
「どうか……どうか、私の、」
なおも言いよどむ有希に、僕は針をちらつかせてやった。有希は泣き喚くように首を振りながら言葉を続ける。
「いやぁっ……ど、どうか私の処女を奪って下さい、ご主人さまぁっ!!!」
──言った。
ついに有希は、自ら僕の所有物になる事を誓ったのだ。
無論、正気に返った有希はこれを否定するだろう。だが一度言った事実は消せはしない。
この場面のテープを繰り返し見せ、思うが侭に嬲ってやる。
「……よしよし。ちゃんと言えたじゃないか。じゃあ、約束通りご褒美だ」
僕はそう言って、男根を露出して用意していた膏薬を塗った。
「は……早く……」
「焦らない焦らない。これは有希の痒みを消してくれる中和剤だよ。これで有希の痒みは消えるんだ……」
「あ……ああっ、早く、早く入れてぇ……」
有希の腰が宙に浮き、弓なりに反っていく。少女が自ら両脚を開き、腰を揺らせて挿入をねだるその情景は、僕の最後の我慢を焼き尽くしていく。
僕は辛うじて、これだけを有希に強要した。
「入れて、じゃない。入れて下さい、だろ? 今度間違えたらお仕置きをするからね」
「ああっ、ごめんなさい、いっ、入れてくださいぃ!!」
僕の命令を、有希は素直に受け入れた。強気の少女を屈服させた悦びに、僕の分身は一層いきり立っていく。
「そうそう。素直に言う事を聞けば、めくるめく快感を味わわせてあげるからね」
「あぁ、ああぁ、聞きます、聞きますから、早くぅぅ……」
今の有希は、従順な牝奴隷だった。言われるがままに言葉を発し、主人の侵入を自ら誘う。
僕は押さえきれない笑みを洩らしながら、肉棒を有希のクレヴァスに近づけた。
「は、早く、はやく……して、ください……」
「よしよし、そんなに急かすなんてはしたない娘だなぁ。しょうがない、入れてあげよう」
「ああ、あ……」
先端が膣口に触れた瞬間、有希は絶望とも切望とも聞こえる声を洩らした。
「いくよ……有希……」
毒蛇の頭は、濡れた襞の間に、ぬるりと滑り込んでいく。
……ぶちぶちっ。
「あ、あぐ……あああああ!!!」
亀頭が処女膜を破ると同時に、有希は叫び声をあげていた。悲痛の叫びではない。気が狂わんばかりに疼く部分を、ようやく刺激して貰えた、悦びの叫びだった。
少女にとって気絶しそうなほどの激痛となるはずの破瓜の痛みは、有希にとっては頭の中を満たす刺激のほんの一部分にしか過ぎなかったのだ。
「ああああっ、ああああああっ!!!!」
痛みを感じていないわけではない。純潔を失う激痛は容赦なく有希を襲っていた。ただ、それ以上に圧倒的な刺激が──狂わんばかりの疼きと、とうとうそれを満たしてくれた肉棒の感触が、圧倒的なまでの大きさで有希の脳裡を満たしていたのだ。
肉棒は蠢く有希の襞を押しのけ、奥へ奥へと突き進む。有希の身体は、愉悦に震えていた。彼女の精神とは裏腹に、その身体は更なる快楽を欲し、期待に震えている。
「くっくっく……ついに、ついに有希のバージンを頂いたぞ……これで、有希は僕の物だ……」
余りの熱さと気持ち良さに、僕は有希を一気に奥まで貫いていた。
「ああ……あ……」
びく、びく、と悦楽に打ち震えながら、有希の膣は男根を飲み込もうとするように蠢いた。目の焦点を完全に失い、有希は惚けたように喘ぎ声を上げ続ける。
中和剤をたっぷりと塗りこんだ所為かズイキエキスの痒みに襲われる事もなく、僕は思うが侭に有希を蹂躙した。
「これは、すごい、気持ち良い、アソコだね、あつくて、絡みつく、凄い、名器だよ、有希……」
「あああ、ああぁ、ああっ、ああ・あああっ、うああっ、あああっ、ああああぅぅぅ……」
突き上げる度に、引き抜く度に、有希は快感とも苦痛ともつかぬ叫び声を上げて仰け反った。その度に堪らない快感が僕の背筋を駆け上り、僕は我を忘れて有希の中に突き入れる。
とめどなく溢れる愛液に破瓜の血が混じって、原色の染みをマットに広げていた。
人によっては気を失うほどの破瓜の痛み。その中にいても尚、有希の顔に浮かんでいるのは歓喜の表情だ。
焦点を失い、霞みがかった瞳には、もはや理性の煌きは無かった。
そこにいるのはもう以前の有希ではない。禁断の快楽を味わい、貪欲に快感を求めるケモノの雌に過ぎなかった。
◇
「ふわぁ、あ、ぁ……ぃ、い、いぃ……」
破瓜の痛みと痛痒を満たす快感は打ち消しあう事無く、混ざり合って有希の脳を直撃していた。嵐に翻弄される木の葉のように有希は舞い上げられ、玩ばれ、踏みにじられた。マットの上で白い肢体は妖しげに踊り、理性を失った有希の口からは、少女の言う言葉とは想像できない淫靡な喘ぎ声が洩れ始めている。
「良いか、良いのかい? 有希……」
「いっ、い……いい、きもち、いいよお……」
全てを奪われ、蹂躙され、有希はもう何も考える事が出来なかった。
ただ頭の中には、圧倒的なまでの痛みと気持ち良さと幸福感があり、他の考えを押し潰していく。
抵抗する気力も失った有希には、その痛みと快感の嵐に身を委ねる事が、とても幸せな事に思えた。
「はあ、あ、あ……」
突き上げられる度に、猛烈な痛みとこの上ない気持ちよさが有希を震わせる。身も心も、融けてしまいそうな女の悦び──有希は、早過ぎる目覚めを迎えようとしていた。
「ああ、あ、あ!!!」
次第に快感は鋭角になっていき、有希は本当のオーガズムへの階段を登り始める。
初めてなのに、こんなに痛いのに──
有希は遠い意識の中、恐怖に近い戦慄を感じながら、どうしようもなく舞い上げられていった。
◇
有希の反応が激しくなってきた。
まるで性交に慣れた熟女が出すような喘ぎ声を発し、歓喜の表情を浮かべつつある。
──イけるのか? 初めての経験で!?
処女を失う痛みは壮絶なものらしい。時にはトラウマにもなりかねないその痛みの中、有希は絶頂を迎えようとしているのだ。
「あぁっ、あぁっ、く……っ、くるっ、なにか……きちゃう……」
四肢を縛られたまま、顔をあらぬ方向に向け、有希は夢の中にいるような笑みを浮かべていた。
「そうか、気持ちいいんだね、イクんだね、有希……それじゃ、ラストスパートだ!!」
ずん! ずん、ずん、ずん、ずん……
「うあ、あっあっあっあ!!!」
抽送のペースを速めると、有希は切羽詰った響きで叫び始めた。縛られた手足を突っ張らせ、背筋をぴん、と伸ばしていく。
「それ、それそれそれそれ!!!」
ずんずんずんずんずんずんずん!!!
「あああっ、ああ、ああああっ!!! お、おかしく、おかしくなっちゃうよぉぉ!!!!」
びりびりびり、と有希の背中に電流が走る。絶頂の前兆だ。本当に絶頂を迎えるのか、この少女は──。
「さぁ、ならイッてみな!!! ほら、ほらほらほらほらほらぁっ!!!!」
ずんずんずんずんずんずんずんずんずんずんずんずんずんずん!!!!!
「う、うわぁ、うわぁぁぁっ、うわぁぁああああああああああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!!!!!!!」
長く尾を引く叫びを残し、有希は全身を突っ張らせて絶頂した。
びくっ、びくっびくっ!!
「ぐぅぅっ!!!」
絶頂の蠕動に曝され、僕の方も限界を迎えてしまう。頭の中が焼け付くような快感の中、僕は有希の膣内に射精していた。
びゅくん、びゅく……
「うあああっ、なにか、なにか出て……」
どくん、どく、どく、どくん……
「うぁぁぁっ、さ……最高だ……」
「あ……やだ、やだぁぁ……」
何が起こったのか、有希はぼぉっとした思考の中で、やっと理解した。
「くははは……出してやったぞ、有希の中に……これで、これで有希は僕の物だね……」
「やだぁ、やめてぇ、やめてよぉ……」
力無く首を振る有希。だが、その頃にはもう僕は全てを出し切っていた。
「ああぁ……すごい締め付けだ……ほら、キミのヒダヒダが僕の精子を飲み込んでるよ……くくく……」
「あ……赤ちゃんが…………あ……」
僕の言葉通り、有希の膣は精液を飲み込もうとするように蠕動していく。
「あぁ………………」
有希はあまりのショックの為か、目を見開いたままふぅっと意識を失ってしまった。
「ふぅ、気絶したか。ここまで耐えられたとは、やはり凄い精神力だな……」
僕は有希の手足の拘束を解き、バスタブへと運んだ。
「くくく……それにしても、凄い気持ち良さだった……これは、本当に名器だな……」
バスタブに半分ほど湯を張って有希の身体を洗いながら、僕はひとりごちていた。
「これからは、何の遠慮も要らない。徹底的に犯してあげるからね……有希……」
薬を塗りこんでいた秘部は、特に念入りに洗う。処女の証が湯に流れ、赤い水中花を咲かせていた。
「さて、次は何をしようかな……時間も道具もたっぷりとあるぞ……くくく、ははははは……」
大きな達成感に、僕は地下室中に響くほど哄笑する。
「うぅ……ぅ……」
有希は気を失ったまま、小さく呻き声を洩らしていた。
続き